なつやすみのこうさく
2009年7月22日 たまたま
実を言えば、三連休の間に市内の天文台かサイエンスショップへ出かけて、日食グラスを確保してこようと思っていた。だが、その時点で既に品切れ続出とテレビが盛んに報じていたので、やる気をなくして三日間家に籠もって過ごしてしまった。あの「2009」の字が入っているところがいかにも今だけという感じで良かったのに、残念。
そして今朝、あー曇りみたいだけどどうしようかなーと思いながら、今更と言うのもおこがましいタイミングでネットで日食の情報収集をしていた。すると、Yahooの日食特集で、たまたま「ピンホール望遠鏡の作り方」という動画を見つけた。ふむふむ、ポテトスナックの筒とかラップの箱とか蛍光灯の箱とかで、太陽の形を観察する道具が作れるのか。工作なんぞここしばらくやっていないが、これでもガキの頃は紙とはさみで何でも作りまくり、小学校では常に三段階評価のオール3一歩手前(体育のみ2)を維持していた身、やってみるのも悪くはない。
ではさっそく近所のコンビニでプリングルズを買ってくるか……と思ったが、テレビの日食特集の始まる時間まで考慮すると、あまり時間がない。と言って、空いたラップの箱や蛍光灯の箱も身の回りには見当たらない(なお、なぜラップの「箱」であって「筒」でないのかは、使用中の実物を見て分かった。筒は堅すぎて工作しにくいからだ)。そこで意識に上ったのが、なかなか資源ゴミの日を覚えられなくて捨てられずにいる段ボールの山だった。
ビニール紐で束ねてある中から適当に引っ張り出すと、ちょうど、アマゾンの箱に入っていた中敷きの段ボールが一枚見つかった。その比較的平らな面を筒の内側にすることにして、長いものさしを使って縦長にだいたい四等分し(むろん合わせた時ちゃんと真四角になるように少し幅を変えて)、シャーペンの先の金属部分とカッターで薄く線を引く。線に沿って折り曲げるとほぼ満足のいく筒型になった。
さらに一片の端に少し切り込みを入れて観察用の窓を作り、セロハンテープで貼り合わせて筒にする。動画ではガムテープを使っていて、その方が余計な光が入らなくていいのだろうが、何だかべたべたしそうで嫌だったのだ。
筒が出来上がると、あとは両端を塞ぐ紙である。これもそこら辺に、ストッキングの中敷きの、片面が白い厚紙が落ちていたのでそれを使う。筒の断面より少し大きめの長方形に切って、切り込みを入れて折り曲げて貼り合わせ、筒の端にかぶせられるような形にする。観察窓をあけた側に貼る方は、白い面が内側に来るようにする。これもセロハンテープで厳重に貼って、筒が完成。
最後に、観察窓の反対側に貼った厚紙に、待ち針で穴をあける。この穴がレンズ代わりとなって、ここを通った光が、観察窓側の白い紙の面に像を結ぶのだそうである。筒が長ければ長いほど良いそうだが、この際、長い筒を調達したり、筒をつなぎ合わせたりする時間がないのだから仕方がない。
こうして、どうにかピンホール望遠鏡らしきものが出来上がった時、時刻は既に11時を回っていた。うちの近辺では部分日食だが、確か10時59分ごろに食の最大を迎えるという話だったから、もう欠け方が少なくなっているかもしれないが、出来るならばその様子だけでも観察したい。そう思って窓を開け、出来上がった道具を空に向けてみた。そもそも曇り空だから太陽の出ている方角が分からないが、ともかくそちらであろうと見当を付けた方向に針穴を向けて、観察窓から筒の中を覗いた。
……見事なまでに何も見えなかった。向ける方角を変えたり、角度を変えたり、太いミシン針で穴を広げてみたり、観察窓に余分な光が入らないよう半閉じにしてみたり、いろいろやってみたが、どうしても白い紙の上にそれらしき像ができない。こうまでしてもどうにもならないというのは、そもそも曇りなのが悪いのかと思ったが、だからと言ってどうすることもできない。
ついに諦めて、おとなしくテレビで皆既日食の様子を見ることにした。予備校の時の先生で日食ハンターをやっている人がいて、ひょっとしたら映るんではないかと思ったためもある。その先生曰く、「皆既日食になると人も動物もみんな叫ぶんですよ。やっぱり本能なんでしょうね」とのことだったが、硫黄島のようなところでは、それは当てはまらないのだと思った。日食を見に行った人たちが乗った洋上の船の方は確かにみんな叫んでいたが。屋久島でもあまり動物の声がしなかったようだが、曇り空のせいだったのだろうか。
テレビ番組が終わった後、どっと疲れが出てきてしまった。何しろ今朝は、日食を見逃すまいと気を張っていて徹夜してしまったし、連日連夜ネットを見ていたので目も疲れていた。その上、日食の番組が始まったと思ったら宗教団体の勧誘(?)は来る(ちょうど宅配便が来る予定があったので急いで出てみたら……)、ピンホール望遠鏡を活用しようとじたばたしていたら、うっかり携帯の入ったカバンを蹴ってどこか押してしまったらしく、電話帳に載っていた人にテレビ電話で繋がってしまう、という……。テレビ電話は気がついてすぐに怪しんで切ってしまったが、かかった人には申し訳ない事をしたものである。
こうして疲れて眠りこんで、気がついた時には午前0時手前……夜の日食の特集番組は見逃してしまった。結局、自分の目で部分日食を確認することはできなかったし、ピンホール望遠鏡のこともよく分からなかった。ただ、そういえば昼の11時頃に、しばらく日が陰って暗くなったように感じた時があった。雲の加減か木立ちの影だったのかもしれないが、もしかしたら……あれが日食の僅かな表れだったのかも……?
最後に、今更ながらではあるけれど、自分が見たピンホール望遠鏡に関する動画を紹介しておく。
「ピンホール望遠鏡の作り方」http://myzo.yahoo.co.jp/watch?vid=4a4971cf7ff1c
「ピンホール望遠鏡の仕組み」http://myzo.yahoo.co.jp/watch?vid=4a49735177143
(2009-07-23T19:33+09:00)
そして今朝、あー曇りみたいだけどどうしようかなーと思いながら、今更と言うのもおこがましいタイミングでネットで日食の情報収集をしていた。すると、Yahooの日食特集で、たまたま「ピンホール望遠鏡の作り方」という動画を見つけた。ふむふむ、ポテトスナックの筒とかラップの箱とか蛍光灯の箱とかで、太陽の形を観察する道具が作れるのか。工作なんぞここしばらくやっていないが、これでもガキの頃は紙とはさみで何でも作りまくり、小学校では常に三段階評価のオール3一歩手前(体育のみ2)を維持していた身、やってみるのも悪くはない。
ではさっそく近所のコンビニでプリングルズを買ってくるか……と思ったが、テレビの日食特集の始まる時間まで考慮すると、あまり時間がない。と言って、空いたラップの箱や蛍光灯の箱も身の回りには見当たらない(なお、なぜラップの「箱」であって「筒」でないのかは、使用中の実物を見て分かった。筒は堅すぎて工作しにくいからだ)。そこで意識に上ったのが、なかなか資源ゴミの日を覚えられなくて捨てられずにいる段ボールの山だった。
ビニール紐で束ねてある中から適当に引っ張り出すと、ちょうど、アマゾンの箱に入っていた中敷きの段ボールが一枚見つかった。その比較的平らな面を筒の内側にすることにして、長いものさしを使って縦長にだいたい四等分し(むろん合わせた時ちゃんと真四角になるように少し幅を変えて)、シャーペンの先の金属部分とカッターで薄く線を引く。線に沿って折り曲げるとほぼ満足のいく筒型になった。
さらに一片の端に少し切り込みを入れて観察用の窓を作り、セロハンテープで貼り合わせて筒にする。動画ではガムテープを使っていて、その方が余計な光が入らなくていいのだろうが、何だかべたべたしそうで嫌だったのだ。
筒が出来上がると、あとは両端を塞ぐ紙である。これもそこら辺に、ストッキングの中敷きの、片面が白い厚紙が落ちていたのでそれを使う。筒の断面より少し大きめの長方形に切って、切り込みを入れて折り曲げて貼り合わせ、筒の端にかぶせられるような形にする。観察窓をあけた側に貼る方は、白い面が内側に来るようにする。これもセロハンテープで厳重に貼って、筒が完成。
最後に、観察窓の反対側に貼った厚紙に、待ち針で穴をあける。この穴がレンズ代わりとなって、ここを通った光が、観察窓側の白い紙の面に像を結ぶのだそうである。筒が長ければ長いほど良いそうだが、この際、長い筒を調達したり、筒をつなぎ合わせたりする時間がないのだから仕方がない。
こうして、どうにかピンホール望遠鏡らしきものが出来上がった時、時刻は既に11時を回っていた。うちの近辺では部分日食だが、確か10時59分ごろに食の最大を迎えるという話だったから、もう欠け方が少なくなっているかもしれないが、出来るならばその様子だけでも観察したい。そう思って窓を開け、出来上がった道具を空に向けてみた。そもそも曇り空だから太陽の出ている方角が分からないが、ともかくそちらであろうと見当を付けた方向に針穴を向けて、観察窓から筒の中を覗いた。
……見事なまでに何も見えなかった。向ける方角を変えたり、角度を変えたり、太いミシン針で穴を広げてみたり、観察窓に余分な光が入らないよう半閉じにしてみたり、いろいろやってみたが、どうしても白い紙の上にそれらしき像ができない。こうまでしてもどうにもならないというのは、そもそも曇りなのが悪いのかと思ったが、だからと言ってどうすることもできない。
ついに諦めて、おとなしくテレビで皆既日食の様子を見ることにした。予備校の時の先生で日食ハンターをやっている人がいて、ひょっとしたら映るんではないかと思ったためもある。その先生曰く、「皆既日食になると人も動物もみんな叫ぶんですよ。やっぱり本能なんでしょうね」とのことだったが、硫黄島のようなところでは、それは当てはまらないのだと思った。日食を見に行った人たちが乗った洋上の船の方は確かにみんな叫んでいたが。屋久島でもあまり動物の声がしなかったようだが、曇り空のせいだったのだろうか。
テレビ番組が終わった後、どっと疲れが出てきてしまった。何しろ今朝は、日食を見逃すまいと気を張っていて徹夜してしまったし、連日連夜ネットを見ていたので目も疲れていた。その上、日食の番組が始まったと思ったら宗教団体の勧誘(?)は来る(ちょうど宅配便が来る予定があったので急いで出てみたら……)、ピンホール望遠鏡を活用しようとじたばたしていたら、うっかり携帯の入ったカバンを蹴ってどこか押してしまったらしく、電話帳に載っていた人にテレビ電話で繋がってしまう、という……。テレビ電話は気がついてすぐに怪しんで切ってしまったが、かかった人には申し訳ない事をしたものである。
こうして疲れて眠りこんで、気がついた時には午前0時手前……夜の日食の特集番組は見逃してしまった。結局、自分の目で部分日食を確認することはできなかったし、ピンホール望遠鏡のこともよく分からなかった。ただ、そういえば昼の11時頃に、しばらく日が陰って暗くなったように感じた時があった。雲の加減か木立ちの影だったのかもしれないが、もしかしたら……あれが日食の僅かな表れだったのかも……?
最後に、今更ながらではあるけれど、自分が見たピンホール望遠鏡に関する動画を紹介しておく。
「ピンホール望遠鏡の作り方」http://myzo.yahoo.co.jp/watch?vid=4a4971cf7ff1c
「ピンホール望遠鏡の仕組み」http://myzo.yahoo.co.jp/watch?vid=4a49735177143
(2009-07-23T19:33+09:00)